日本に来る前、ちょうど司馬遼太郎が書いた新選組についての本を読んでいた。そのため、「鴨川」「油小路」「池田屋」などのイメージが私の頭に残ったのだが、京都に来て自分の目で実際見てみたら、本に描かれていた光景が頭に浮かび、感動した。歴史の雰囲気があふれる街だというのが、京都の第一印象だ。
昨年十月に京都に着き、わずか半年足らずしか経っていないため、来たばかりの頃のことはまだはっきり覚えている。行きたいところが多かったので、この半年の間にせめて京都だけでも満喫しようと思った。そう思いながら本願寺に向かって出発した。金閣寺や清水寺ほど有名ではないかもしれないが、立派なお寺だ。戦国時代に騒ぎを起こした僧侶達とは違い、現在のお坊さんたちはおとなしいなと感じた。阿弥陀堂に入ると、厳かな雰囲気に包まれて怖いほど静かで、外とは完全に別の世界だった。その後、ほかのお寺や神社にも行ったが、本願寺が最も印象深い。それはたぶん京都で初めて行ったお寺だからだろう。
十一月と十二月は、とても忙しかった。だからと言って、せっかく京都にいるのに紅葉を楽しまないわけにはいかないと思い、嵐山に行くことにした。真っ赤に染まった山の麓を歩きながら写真を撮り、疲れたら座ってお菓子を食べ、食べ残したお菓子を山の中に住んでいる猿に与えた。素晴らしい自然の魅力を満喫する貴重な経験だった。その後、日本らしい昼ごはんを食べ、いくつかのお寺や神社に行ったが、いつの間にか日が暮れてきた。毎日このようにゆっくり暮らせればいいなという気持ちがその後何日も続いた。
歴史・景色のほか、文化も京都の特色の一つである。経済が東京、大阪ほど発展していないことは、京都にとってかえっていいことなのかもしれない。昔ながらのしきたりがそのまま残っているのは、外国人にとって最高だ。学校が伏見区にあるおかげで、新年の零時に伏見稲荷神社に行くことができた。元々は鐘の音を聞くつもりだったのだが、鐘は全く見えず、初詣に行く人々しか見えなかった。道の両側にお菓子やたこ焼きを売る店がぎっしり並んでいて、いいにおいが漂っていた。そのように一度に大勢の人を見るのは日本に来て初めてだった。ようやく拝殿についたが、私たちの前には何百人もの人が長蛇の列を作って待っていた。初詣に行く日本人の情熱が強く感じられた。電車の中では物静かな日本人が大きい声で叫んだりする姿を見て、時と場合によっては日本人の喧しさは中国人に負けないなと思った。
後少しで卒業式を迎える。しかし、京都での思い出は、この町での生活が終わっても消えることはないだろう。